研究内容
本能行動と睡眠覚醒調節の神経機構
摂食行動・睡眠覚醒・性行動などの本能行動の多くは視床下部のペプチド含有神経によって調節されている。我々は視床下部のペプチド含有神経を研究対象として遺伝子工学、 組織化学、電気生理学、行動薬理学、光遺伝学を組み合わせた多角的解析によって本能行動を調節する神経回路網の同定とその動作原理の解明を行っている。1) オレキシン神経細胞を中心とした睡眠覚醒調節機構の解明: 視床下部のオレキシンを産生している神経細胞は、睡眠覚醒調節において重要な役割を担っている。 スライスパッチクランプを用いたオレキシン神経細胞からの記録によって、入力神経と応答様式について明らかにして、睡眠覚醒調節に関わる神経回路を同定している。 また、光遺伝学を用いてオレキシン神経活動を制御したときの睡眠覚醒状態変化を調べることによって神経回路の動作原理について明らかにしている。
概日時計による行動・生理機能のタイミングを決める神経メカニズム(小野大輔)
私たちの研究チームは、動物が示す行動や生理機能のタイミングを調節する、神経回路の動作原理の理解を目指しています。
そのため、光操作や光イメージングや電気生理学、組織学、動物行動学に加え、ウイルスベクターやin vivoゲノム編集等の技術を総動員し、
概日時計の中枢である視床下部に位置する「視交叉上核」を起点とした脳内神経ネットワークの全貌解明を目標とします。
これまでの代表的な成果: Ono et al., 2020 Science Advances, Ono et al., 2019 Communications Biology,
Ono et al., 2017 PNAS, Ono et al., 2016 Science Advances, Ono et al., 2013 Nature Communications