開催予定セミナー

<過去に開催されたセミナー>

2020年度

題目 A Concerted Thermogenic Response via A Phosphor-switch of An Epigenetic Modifier
講師 酒井 寿朗先生
東京大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学分野・教授
日時 令和3年3月10日(水) 17:00-18:30
場所 環境医学研究所 南館大会議室(東山)
要旨 細胞が環境の刺激をどのように感知して応答するかは、細胞生物学研究の中心的な課題である。 近年、エピジェネティクスと呼ばれるクロマチン構造変化が細胞の運命を調節していることが示されつつある。 脂肪細胞は、飢餓や寒冷環境から生物を保護する上で重要な役割を果たす。 褐色脂肪細胞は、急性の寒冷暴露で脂肪を燃焼させて熱を発生させる一方、慢性的な寒冷環境では、 「ベージュ脂肪細胞」と呼ばれる褐色様の脂肪細胞が皮下白色脂肪組織に動員され、熱生成のために脂肪を積極的に燃焼する。 この適応変化は「ベージュ化」と呼ばれ、エピゲノム変化を伴い慢性的な適応に貢献する。 本講演では、交感神経刺激の下流で急性ストレス反応に関与するβアドレナリン作動性シグナル伝達が、エピジェネティックな メカニズムを介して褐色脂肪組織と白色脂肪組織の協調的な熱発生反応の調節機構を紹介する。



参考文献

1. Abe Y, …, & Sakai J* (2018) Histone demethylase JMJD1A coordinates acute and chronic adaptation to cold stress via thermogenic phospho-switch. Nat Commun, 9, 1566. 2. Inagaki T, Sakai J, Kajimura S (2016) Transcriptional and epigenetic control of brown and beige adipose cell fate and function. Nat Rev Mol Cell Biol, 17, 480 - 495. 3. Matsumura Y, …. , & Sakai J* (2015) H3K4/H3K9me3 Bivalent Chromatin Domains Targeted by Lineage-Specific DNA Methylation Pauses Adipocyte Differentiation. Mol Cell, 60, 584-596 4. Abe Y, …, & Sakai J* (2015) JMJD1A is a signal-sensing scaffold that regulates acute chromatin dynamics via SWI/SNF association for thermogenesis. Nat Commun, 6, 7052. (医学系大学院 基盤医学特論を兼ねています)
Lecture in Japanese.

題目 情動脱力発作を利用した快情動の脳内機構研究
講師 桑木 共之先生
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科・教授
日時 令和3年3月18日(木) 17:00-18:30
場所 環境医学研究所 南館大会議室(東山)
要旨 情動の脳内メカニズムを研究する為に実験動物を利用する際には行動から情動を推測するしかない。 情動脱力発作とは、ナルコレプシー(傾眠病)患者に見られる特徴的な発作であり、笑いなどの快情動を きっかけとして四肢の筋肉が弛緩してその場に崩れ落ちる現象である。 ナルコレプシーのモデル動物であるオレキシン欠損マウスでも脱力発作が観察され、しかも快刺激と思われる チョコレートや兄弟の同居でその頻度が増加することが知られている。 本講演では、①オレキシン欠損マウスの脱力発作が快情動誘発性である事の更なる証拠の提示と 、②オレキシン欠損マウスの脱力発作の脳内責任部位として側坐核が有力であることを紹介する。 笑門来福の脳内縁起を研究する手掛かりになる事を期待している。

参考文献

1. Su J, et al. Sci Rep 10:4958 (2020)

(医学系大学院 基盤医学特論を兼ねています)
Lecture in Japanese.




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