新薬創成科学部門

薬の研究開発を進め、社会に求められる医薬品を創成するためには、医薬品として適切な化合物特性の獲得、および安定供給が可能な合成手法の確立が必要になります。本部門では、論理的な化合物デザイン、効率的な化合物合成、物理化学的特性評価等に関する技術開発を行い、医薬候補化合物の創成に応用することを目指しています。

1. 論理的な化合物デザイン

薬効解析部門との連携で得られるin vitro/in vivoに関する多次元データを、系統的に解析して構造活性相関研究(SAR:Structure Activity Relationships)を展開しています。さらに、標的分子の構造情報や既知リガンドの情報を基に新規化合物のデザインを行う計算科学的アプローチも取り入れています。名古屋大学創薬科学研究科との連携も最大限に活かして論理的な化合物デザインの実践と検証を行います。

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2. 効率的な化合物合成

創薬研究を加速する上で、デザインした化合物を迅速かつ効率的に合成することは重要な課題となります。本部門では、化合物の精製および分析の自動化システム(CAP:Centralized Analysis & Purification)を確立することでin vitro評価化合物の合成供給を大幅に効率化し、CAPを軸としたSAR研究の加速化を実現しています。

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3. 薬剤開発ならびに分析化学

探索研究早期の物性評価スクリーニング、医薬候補化合物の薬剤科学的評価、各種化合物の純度評価・品質保証に関する評価方法の開発と検証を行います。

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本部門には、国内外の製薬会社で医薬候補化合物を創出した実績を有する研究員が多数参画しています。化合物ライブラリーの拡充や、各種解析・計算手法などの新しい技術も積極的に取り入れ、効率的な創薬研究を推進しています。